発達性協調運動障害にとっての最初の難関「なわとび記録会」
私が住んでいる地域の小学校では「なわとび記録会」という行事があります。
文字通り、学年ごとに縄跳びの課題があり、何回跳べたか記録する会です。
記録会を開催するくらいなので、普通の子にとってはなわとびができること前提として「何回とべるのか」という事が焦点だと思います。
しかし、息子は縄跳びの前とびが一回もできません。
何度も付き添って自主トレをしましたが、やはり一度もできませんでした。
そもそも縄跳びを前に回すことができない。どうしても後ろ向きになってしまう。
タイミングよくジャンプすることができない。飛ぶ姿勢が大げさになってしまい、連続でジャンプして縄を飛ぶことができない。
まずはなわとびを片手だけで持ってぐるぐるする、別の二人がなわとびを持って下の方で揺らすのを飛ぶ……などいろいろ手を尽くしましたが、できませんでした。
息子は発達性協調運動障害の診断が出ており、運動全般が苦手です。
なわとび記録会は親の参観もできるのですが、いつもは行事を見に来て欲しがる息子が初めて「見に来なくていい」と言いました。
一回も跳べないことに関して本人なりに思う所があったのだと思います。
結果、記録は0回だったようでその日はあまり元気がありませんでした。
発達性協調運動障害とは?
皆様、発達性協調運動障害と言う言葉をご存知でしょうか。
「不器用」じゃなかった――大人の発達性協調運動障害(The Telegraph) - Yahoo!ニュース
比較的最近になって個別に診断が付くようになった発達障害の一種です。
発達性協調運動障害の特性としては、諸々の動作を一つにまとめて行うという事が苦手というのがあります。
wikipediaにも例が出るように、なわとびは実は高度な協調運動なのだそうです。
確かに「手で縄をまわしながらタイミングよく跳ぶ」という行為は、あらためて考えるとかなり難しい行為のように感じます。
出来る人にとっては考えながら行動しているわけではないので、「なぜできないのか」がわからない。どうやって教えたらいいのかも、とても難しい問題です。
息子の発達性協調運動障害
「諸々の動作を一つにまとめて行う」ものとして息子がこれまで苦手だったことを具体的にあげてみると
・自転車に乗れない(ペダルをこげない)
・ボールを投げられない
・投げられたボールを取ることができない
・ラジオ体操や準備運動が不自然な動きになる
・箸をうまく使えない
・字を綺麗に書くのが苦手
といったことになります。
上四つは「粗大運動」下の二つは「微細運動」と呼ばれていて、どちらにも困難を示す場合も多いそうです。
ボールを投げたり受け取ったり、ラジオ体操や準備運動など。普通の子は他の人がしているのを見て真似をするだけで覚えることが出来る場合が多いですよね。
自分自身の事を考えてもどうしてボールを投げたりキャッチしたりできるのかは意識したことが無いのでわかりません。
自転車に関して言えば、最初のうちはいくら「前にペダルをこぐ」と教えてもなぜか逆方向にしかこげませんでした。でも、数カ月経ってみると前にこぐことができるようになったのです。かといって毎日自転車に乗る練習をしたわけでもなく、ある日突然できるようになったことでした。
子ども自身はどうしたらできるのかわからない
親としてはどう教えていいのかわからない
身近に「発達性協調運動障害」に関してケアしてくれる施設やサービスが無い
という現状で、息子が困っていることは理解しつつも対応が難しくなっています。
発達性協調運動障害で困ることは運動が出来ないことだけではない
実際のところ「縄跳びが出来ない」ということはそこまで大問題ではありません。
大人になって縄跳びが出来なくて困ることはほぼないですよね。もしかしたら自転車のようにそのうち出来るようになるかもしれません。
しかし現役小学生にとっては色々な弊害が考えられます。
・ふざけていたりさぼっていたりすると思われる
・友達に「どうしてできないの?」と言われる
・自己肯定感が下がる
自分が子どもの頃を思い返してみても、体育の時間にふざけているような動きをしていて先生に怒られている子がいました。その子は運動全般が苦手だったので、実は発達性協調運動障害だったのかもしれません。
息子の場合、幸いなことに担任の先生には理解していただいています。
出来ないなりに頑張っていることは伝わっていますし、周りの子にからかわれたりすることも少ないようです。
それはかなり息子にとっても救いとなっていると思います。
息子の発達を定期的に診てもらっている病院でも、体育が苦手なことについて相談してみました。
医師の先生からは
「苦手なことを伸ばすのは難しいので、得意なことを伸ばしていく方針でいきましょう」
というアドバイスがありました。
確かに、「運動は苦手」という現実を本人が受け止めつつ、他の事はできることがあるよ!という部分で自己肯定感を高めていけたらいいのかなと感じています。
いわゆる凸凹が進学したことによってさらに明確になってきたのを、親としても感じています。
今後、発達性協調運動障害が更に認知されていけば、私が住んでいる地域にも対応できる療育施設などが出来るかもしれません。
また、息子は1年ほど前からスイミングクラブにも通っています。そこでもまた別の問題が浮上したことなども、今後書いていけたらと思います。
自転車もいつの間にか乗れるようになったし、なわとびもいつの間にかできるようになるかもしれない!
明日は明日の風が吹く!
ちなみになわとびですが、ネット通販で評判がよかったものを購入しました。
asics(アシックス) クリアートビナワジュニア 91-230 イエロー F
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今のところあまり使いこなせていませんが、このなわとびがすごく良かったです。
いざ使おうとしたときに、ぜんぜん絡まない。
家で大人が実演してみせるのにこれじゃなくて100円くらいのなわとびを買ってみたら最初から絡みまくりのクセが強くて閉口しました。
アシックスのなわとびは、いつほどいても「ピーン」としているのが素晴らしい。
また、運動が苦手な件に関して「こういう風にするのが良かった」など情報があればぜひ教えてください!よろしくお願いします。